令和2年2月 定例会 質問・答弁要旨

令和2年2月 定例会 質問・答弁要旨

1.外国人留学生の県内就職促進について

乙 黒 山梨県内の外国人留学生は千人を超えており、五年前と比べて十七パーセントも増加している。一方で、外国人留学生の卒業後を見ると県内企業に就職する方は少なく、平成31年の留学生の県内就職率は、八パーセントであり、全国の就職率30パーセントと比べても伸び悩んでいる。留学生の語学力は大変優秀であり、母国語に加えて日本語もマスターしているなど、企業にとっても即戦力となる有望な人材であるにもかかわらず、県内企業への就職にまでは目が向いていない。この大きな要因が、県内企業と接する機会が少なく、その魅力が十分に伝わっていないことだと考える。
 まずは、企業側が留学生をターゲットとして採用活動を行うことが重要だが、県としても、留学生に県内企業の情報や魅力が伝わるよう支援を強化する必要があると考える。留学生の県内就職の促進に向けて、県がどのように取り組んでいくのか伺う。

長崎知事 本県で学んでいる外国人留学生は、産業や地域社会の担い手となりうる貴重な存在であり、こうした留学生の県内就職を促進することは、重要であると考える。留学生と企業のマッチングに向けて、合同就職面接会の開催やポータルサイトによる企業情報の発信などを行ってきたが、来年度は新たにインターンシップへの支援を強化していく。インターンシップは、早い時期から留学生の皆さんが、企業の仕事内容や雰囲気に触れることができる絶好の機会であり、県内企業で働く魅力を肌で感じてもらう有効な手段だと考える。また、こうした県内企業の魅力と併せて、自然環境の良さや生活しやすさ、地域での交流など、本県で暮らしていく魅力についても、留学生に直接発信していく。一人でも多くの外国人留学生の方々に、卒業後も県内で活躍してもらえるよう、企業や大学等と連携して積極的に取り組んでいく。

2.コミュニティバスの市町村間における連携促進について

乙 黒 住民の日常の足として、また観光客の移動手段としてバス交通は重要な役割を担っている。市町村を跨ぐ広域的な路線を主に民間の交通事業者が運行し、よりきめ細かに市町村内を巡るバス路線を市町村がコミュニティバスとして運行している。私は市町村が連携してコミュニティバスの利便性を高めることが、より一層のバス利用に繋がると考える。利用者目線に立ってバス交通の利便性を向上させるためには、隣接市町村同士で協議する中で、バス停留所の位置や運行時間の調整を図るとともに、相互に乗り入れる等の工夫をした上で、市町村の広報誌を活用してバスの利用方法等を周知するなど、多くの方にそれぞれのバスについて知って頂き、利用につなげる取り組みが必要であると考える。コミュニティバスを有効に活用し、バスの利便性向上につなげるため、市町村間の連携した取り組みを更に広げていく必要があると考えるが、県の所見を伺う。

リニア交通局長 コミュニティバスは、地域内における高齢者や学生の通院、通学や買い物など日常生活の足、更には、観光客の移動手段として、地域のニーズに合わせてきめ細かく運行されている身近な公共交通であり、市町村によっては、隣接市町村への乗り入れを行っている。他県においては、隣接市町村間のコミュニティバスの乗り継ぎ割引の導入や、利用促進のための共同広報を行っている事例もある。こうしたコミュニティバスの市町村間における連携は、利便性の向上や利用者の増加につながるものである。
 県では、本年4月に開校する青洲高等学校へ通学する生徒のため、地元市町村や県教育委員会と協議する場を設けて、富士川町のバスの新設校までの延伸と身延町のバスとの円滑な乗り継ぎの実現につなげてきた。また、本年度も、県内を6つの圏域に分けて設置した地域バス路線検討会を開催し、コミュニティバスの広域連携について意見交換を行う予定である。今後も、地域のニーズや市町村間における連携の可能性の把握に努め、利便性の向上につながる市町村間の連携促進に努める。

3.地区防災計画の策定状況と防災リーダーの育成について

乙 黒 近年、全国各地で大型の台風や集中豪雨による被害が頻発しており、本県においても同様の災害の発生が懸念される。大規模災害においては、行政機関が被災し機能が麻痺するような場合があるなど、公助の限界が指摘されおり、災害による被害を最小限に抑えるためには、県民一人ひとりが、自分の身の安全を守る自助、そして地域による相互の助け合いによる共助の精神に基づき、日頃から防災活動に取り組むことが重要である。
 県は、昨年度、共助による地域防災力の強化に向け、地域の居住者等が主体となり、自発的な防災活動を定める地区防災計画の策定を推進するため、県内の四つの地区を選定し、住民の活動を支援するモデル事業を行った。県から派遣された防災アドバイザーの協力のもと、勉強会の実施と実地訓練を通して、参加した皆さんが地域の防災リーダーへと成長するとともに、防災リーダーが中心となって、住民自らが計画を策定していく作業を行った。
 今後、各地区の防災力を底上げできるよう、地区防災計画の策定を、他の地区にも波及させていくことが重要であり、そのためには、地区の住民をまとめ、計画策定の取り組みの中心となる防災リーダーの育成が必要であると考える。そこで、県内市町村における地区防災計画の策定状況と、防災リーダーの育成への取り組みについて伺う。

長崎知事 地区防災計画は、県民の皆様がお住まいの地域において、浸水や土砂崩れなどの災害リスク要因を正確に把握するとともに、要配慮者等の居住状況を踏まえることにより、適切な防災対策がとれるよう、行政と一体となって策定するものであり、地域の防災力を高める上で大変重要である。
 県では、昨年度、山梨市下神内川をはじめ県内4地区において、県内各地域から多くの防災リーダーの御参加をいただき、計画策定に必要なノウハウを学ぶモデル事業を実施したところであり、現在、これらの方々が中心となり、10市町村32地区で計画策定に向けた取り組みが進んでいる。
 本年度は、策定の動きを更に加速させるため、より多くの防災リーダーが、地区防災計画の重要性や策定方法を習得できる専門的なカリキュラムを加えた研修を開催するとともに、防災リーダー同士のネットワークを構築し、計画策定の事例発表や情報交換を行う場を提供している。こうした取り組みにより、地域に根ざした、住民による自発的な防災活動の取り組みを促進し、市町村とも密接に連携し本県の地域防災力のより一層の向上に努めていく。

4.高齢者を地域で支える体制の整備について

乙 黒 高齢者人口をはじめ、夫婦とも65歳以上の高齢者夫婦世帯、在宅ひとり暮らし高齢者、そして認知症高齢者の数が年々増加している。警察庁が公表した平成30年における行方不明者の状況では、70歳以上の行方不明者数も増加傾向にあり、行方不明となる原因は認知症又はその疑いによるものが約七割を占めている。
 平成29年12月議会において、認知症高齢者の見守り体制の整備について質問し、官民が一体となった市町村の区域を越える広域的な連携体制の整備に向け、地域での見守り体制を強化充実していくとの答弁を頂いたが、現在、認知症高齢者の見守り体制がどのように整備されているのか伺う。
 また、高齢化の進展により地域での見守りや安否確認をはじめ、病院などへの送迎、買い物や掃除などの家事援助といった幅広い生活支援が必要となっており、既存の介護事業所によるサービスに加えて、ボランティアやNPO法人、民間企業、地域住民などの多様な生活支援が導入されているが、多くの市町村では、サービスの担い手の確保や、事業の進め方など、様々な課題がある。
 私は、現在市町村において抱える課題を解消し、高齢者を地域で支える体制の整備を一層進めていくため、県が積極的に市町村を支援していくべきと考えるが、県の所見を伺う。

長崎知事 認知症高齢者の広域的な見守り体制の整備状況は、これまでに7つの金融機関等と協定を締結し、店内での支援や、消費者被害防止などの高齢者の見守りに協力頂いている。また、認知症高齢者に声がけなどを行う認知症サポート事業所は、診療所、スーパーマーケットなどに広く登録を呼びかけ、平成29年度の193事業所から現在は705事業所となっている。更に、県警察では、平成30年8月から、保護した方で支援活動が必要な認知症高齢者等の情報を、養護者の同意を得た上で市町村や地域包括支援センターと共有するなど行方不明等の未然防止に努めている。こうした、官民一体となった市町村を越える広域的な連携体制の整備を一層進めていく。
 市町村における体制整備への支援は、平成27年度から地域の支え合い活動の中心となる生活支援コーディネーターを、26市町村に53名養成するとともに、見守りや助け合いの機運醸成を図るため、県民向けセミナーを毎年開催してきた。来年度は、地域の生活支援体制づくりに実績のある専門家をアドバイザーとして8市町村に3回程度派遣し、地域ごとの課題解決に向けた取り組みを支援する。更に、各地域で実践された好事例は、市町村職員を対象とした事業報告会により県内に広く浸透を図ることとしており、今後も一層、高齢者を地域で支える体制の整備を進めていく。

5.琴川ダム湖のコクチバス対策について

6.都市計画道路山梨市駅南線の整備について

7.教員の働き方改革における支援について