平成30年9月 定例会 質問・答弁要旨

平成30年9月 定例会 質問・答弁要旨

1.被災者の心のケアについて

乙 黒 災害時には、被災者の皆さんは大きなストレスを受け、強度の不安や抑うつ状態を引き起こす恐れがある。これに対する取り組みとして、本県では医師や精神保健福祉士、看護師等で構成する、災害派遣精神医療チーム、いわゆるDPATが編成されている。このDPATの活動内容とこれまでの派遣実績について伺う。また、この経験等を十分に生かして本県では昨年度、「災害時心のケアマニュアル」が策定されたが、その内容と特徴、これからどのように取り組んで行くのか伺いたい。

後藤知事 DPATは被災地のニーズに合わせ、精神医療の提供や心の健康の保持向上を図る活動などを担っており、避難所等において精神疾患を持つ被災者に対し診療を行うとともに災害のストレスによって心
身に不調をきたした住民を対象とした個別の相談やメンタルヘルス講座などを実施している。またDPATの派遣実績は、平成28 年の熊本地震において県内の精神科病院及び県の職員17 人で4 チームを編成し約20日間熊本県宇土市の避難所で活動している。

小島福祉保健部長 「災害時心のケアマニュアル」は、熊本地震での活動を踏まえ災害から概ね6 ヵ月程度の中長期にわたる心のケア活動の留意点や組織体制などを定めており、DPATとして精神に係る医療と保健活動を継続して一体的に行うための指針となっている。また災害発生の際、被災状況等の把握からDPATの派遣まで一連の手続が迅速かつ的確に行えるようわかりやすい指揮命令系統としており、限られた人材を最大限に生かすため、異なる医療機関の混成チームでも編成できるようにするとともに、医師が帯同せずに活動するチームの編成も可能とするなど、柔軟で機動的な体制としている。

後藤知事 平成30 年3 月には山梨大学や県内9 つの精神科病院で構成する県精神科病院協会及び県立北病院と、DPATの派遣に関する協定を締結した。本年度はさらに多くのDPATチームの確保と育成のため研修や訓練に取り組んでいる。

2.峡東地域の日本遺産認定を生かした観光振興について

乙 黒 平成30 年5 月、日本遺産審査委員会の審議を経て、山梨市、笛吹市、甲州市を構成市とする日本遺産「葡萄畑が織りなす風景」が文化庁において認定された。そこで、この峡東地域の「葡萄畑が織りなす風景」の特徴について伺う。次に、同じ峡東地域に関連して、峡東ワインリゾート構想について、これまでどのような取り組みを行い、どのような成果があったのか伺う。また、日本遺産事業と峡東ワインリゾート構想は広く深く関連するものであり、情報発信も含め、互いに整合性を確保しながら事業を推進することで、その相乗効果により峡東地域の観光振
興が一層進展していくと期待されている。日本遺産認定を踏まえた、今後の峡東ワインリゾート構想及び日本遺産事業の取り組みについて伺う。

教育長 今回認定された葡萄畑が織りなす風景は国宝大善寺や清白寺、県指定文化財上野家住宅などだけでなく、葡萄畑や歴史的ワイナリーなど日々の暮らしの中で豊かに息づいている、歴史や文化の薫る魅力ある資産で構成されている。特徴としては、峡東地域で葡萄とともに育まれた景観や暮らし、ワイン文化が融和し、地域を一体的に形成してきた歴史だと考える。

観光部長 峡東ワインリゾート構想は、ワインを核に来訪者がゆっくり地域の魅力を体感、堪能できる周遊、滞在型の観光地を目指し、県、峡東3 市、地域の観光事業者などが一体となって、おもてなしの充実、地域の情報発信などに取り組んでいる。この2年間で、峡東地域のワインの魅力や観光案内などを行うワインコンシェルジュ約70 名を育成、峡東3 市すべてのワイナリー、特産品であるぶどうや桃、宿泊施設や飲食店などを紹介するHP の開設、周遊マップの制作などを行っており、来訪者がワインに親しみながら地域を周遊するための受入体制の整備や、豊富な観光資源に恵まれた峡東地域の認知度向上が図られている。

後藤知事 峡東ワインリゾート構想では、ワインをキーワードに日本一の産地という地域特性を生かして周遊観光を促進し、日本遺産事業では、地域の歴史的資源であるぶどう畑やワインづくりを生かして地域活性化を図ることから、それぞれの魅力を相互に融合させ、相乗効果が得られるように取り組んでいく。日本遺産事業については、構成文化財を加えた新たな周遊マップの作成に加え、ワイナリーや周遊ルート上の各所に休憩用ベンチを設置して快適性の向上を図るとともに、峡東地域の魅力を伝えるテレビ番組やPR動画の制作などによる国内外への情報発信の強化を、他の認定地域とも連携して実施していく。峡東ワインリゾート構想については、ぶどう畑の景観や地域の暮らし、歴史・文化などを取り込みながら、ワインの魅力を更に磨き上げることにより、一層地域の活性化に資するよう取り組んでいく。 

3.果樹農業の担い手の確保について

乙 黒 本県の果樹産地の一層の強化に向けて、生産基盤の整備等に加え、果樹農業の将来を支える担い手をより多く確保していく取り組みが必要である。また、近年は年代を問わず就農したいと考えている人は増えており、就農支援は山梨県への移住定住につながる大きなチャンスでもある。県ではアグリマスターによる就農定着支援制度や、農業大学校における職業訓練、国の農業次世代投資資金の活用など、様々な担い手の確保・育成対策に取り組んできたが、本県農業の主力である果樹の将来を担う新規就農者の状況について伺う。次に、本年より取り組んでいる五十歳以上のシニア世代を対象とした就農支援について、これまでの状況と今後の取り組みについて伺う。

農政部長 県では意欲ある担い手の確保に取り組んできた結果、新規就農者は年々増加し、昨年度は314人に達した。このうち、果樹の新規就農者は129 人と全体の約4 割を占め、本県の主力である果樹農業を支える重要な担い手となっている。129 人を年齢別に見ると50 歳未満の就農者が約7割を占めている。またシニア世代を対象とした果
樹や野菜の技術研修を本年度5 月から開始し、果樹では24 名の研修生が農援隊などの
篤農家のもとで学んでいる。8 月には東京都内で就農促進セミナーを開催し、参加した29 名の受講者からは現地視察や農地の取得方法等の具体的な相談もあり、本県農業への関心への高まりを実感している。今後は就農希望者による、シニア世代の農業者への訪問ツアーも予定しており、今後もシニア世代の確保育成に積極的に努めていく。

4.要介護認定の状況と介護予防への取り組みについて

5.山梨市における果樹農業の振興について

6.学力向上対策について