令和元年9月 定例会 質問・答弁要旨

令和元年9月 定例会 質問・答弁要旨

1.やまなし地域づくり交流センター(仮称)の整備について

乙 黒 知事は、地域コミュニティの活性化に資するための中核的な拠点として、新たにやまなし地域づくり交流センター(仮称)の整備を表明している。地域活力の低下が懸念される中、地域づくりのための新しい交流・連携の拠点施設ができることについて私も期待しているが、地域の活力を維持、発展させていくためには、自主的な市民活動をサポートする取り組みに加えて、地域経済の活性化を図ることも大事であり、新たな担い手の育成や起業・創業、テレワークなど時代の変化に対応した多様な働き方への支援も必要である。働く時間に制約のある育児中の女性や、新しいアイデアを持った若者などが、この拠点施設で様々なジャンルの方々と交流、連携することにより、新たな活動やネットワークが生まれ、地域全体の活性化にもつながると考える。そこで、県では、やまなし地域づくり交流センター( 仮称) を、どのような施設として整備していくのか所見を伺う。


長崎知事 県民の交流・連携の新たな拠点として整備を進めている、やまなし地域づくり交流センター(仮称)においては、様々な分野で活動している方々や団体が集い、つながることにより、地域課題の解決や、地域の活性化に向けた新しい活動が生まれることを目指している。整備に当たっては、多くの皆様に利用してもらえるよう、子育てやまちづくりに携わる団体の関係者など、各方面で活躍されている方々から、様々なアイデアをいただいている。これらの意見を参考に、センターには活動を支援するための相談窓口、団体間のつながりを促進するための交流スペースやカフェ、更には、多様な働き方を支援するため、誰でも自由に仕事ができ、情報交換も可能なコワーキングスペースやキッズスペース等を備えるなど、起業、創業を目指す方の活動拠点としても活用できるよう整備していく。このセンターが、県民や企業、NPOなど多様な主体が交流、連携し、パートナーシップを構築することにより、活力ある地域づくりや地域経済の活性化に資する施設となるよう、積極的に取り組んでいく。

2.県産木材の利用拡大に向けた取り組みについて

乙 黒 本県は全国有数の森林県であり、その豊かな森林は木材の生産をはじめ、県土の保全、水源の涵養、地球温暖化の防止などの多面的機能を有し、県民に多くの恩恵をもたらす貴重な財産である。本年三月には林業及び木材産業の振興による本県の経済の活性化と、森林の有する多面的機能の持続的な発揮並びに豊かな県民生活の実現に寄与することを目的として、県産木材利用促進条例が制定された。県は公共建築物への県産木材の積極的な利用に取り組んでいるが、今後は、住宅や商業施設といった民間建築物など、更に幅広い分野への県産木材の利用を進める必要がある。そこで、県産木材の利用の拡大に向け、県はどのように取り組んでいくのか伺う。


長崎知事 本県の豊かな森林資源を有効に活用し、県産木材の経済的価値の向上を図っていくためには、県内で加工された付加価値の高い県産木材製品を、安定的に供給するサプライチェーンを有効に機能させることが重要である。このため、県では、木材の生産から加工、建築に関わる企業グループが行う、流通過程の効率化に向けた取り組みに助成することにより、強固な供給システムの構築を図ることとし、所要の経費を9月補正予算に計上した。また、需要者サイドの意識変革を図り、県産木材の利用の裾野を拡げるため、商工団体と林業・木材産業関連団体が連携し、木造化の推進による持続可能な社会への移行を目指す「Yamanashi ウッド・チェンジ・ネットワーク」をこの秋に設立し、店舗や事務所などの民間建築物への県産木材の利用を進めていく。更に、県産木材利用促進条例に基づく、基本方針を本年度中に策定し、供給力の向上や需要拡大につながる、様々な取り組みを推進することにより、県産木材の利用拡大を図っていく。

3.中小企業に対する事業承継の支援について

乙 黒 企業がこれまで培ってきた技術やノウハウ、貴重な人材や設備などを次世代に確実に引き継いでいくことは重要だが、経営者の高齢化が進む一方、後継者不足などを理由に事業承継が進んでいない。近年では事業承継のうち親族内承継が占める割合は約六割と減少しつつあり、少子化が進み親族内の承継候補者が少なくなっていることや、仕事に対する意識が多様化し、家業を引き継ごうという意識が薄らいできたことが理由であると考えられる。このような中で企業買収や合併による事業承継、いわゆるM&Aについて多くの企業が今後その必要性が高くなると認識しているが、M&Aと聞くと敵対的買収といった悪い印象があり、第三者が明日から経営者となるような抵抗感もある。今後の事業承継を考える時、親族内承継が困難な場合には、親族以外の従業員や役員への親族外承継を積極的に進めるべきと考えるが、県内企業が独自で有能な人材を見つけることは困難であり、両者のマッチングが大変重要である。そこで、県では、今後、どのように親族外の事業承継を進めていくのか所見を伺う。

産業労働部長 中小企業の事業承継は、本県経済の持続的な発展のために重要であることから、県では、平成27年12月に、国の支援制度を活用して、やまなし産業支援機構に事業引継支援センターを設置し、情報提供や相談業務を行っている。平成29年4月からはコーディネーターを増員し、4名体制で親族外承継やM&Aなどの支援に当たっており、これまでに24件の事業承継を成立させ、県外から社員として迎えた人材が承継したケースも出てきている。親族外承継を進める上で、県内企業と外部の有能な人材とをマッチングさせることは大変重要であり、県では、やまなし産業支援機構を通じ、金融機関や民間の人材紹介事業者と連携して、人材の確保と仲介を行っている。今後はこうした取り組みを更に推進するとともに、本年度創設した事業承継に向けて経営革新や事業転換に取り組む事業者への補助制度を積極的に活用し、親族外の事業承継の支援に努めていく。

4.農業保険の加入促進について

乙 黒 峡東地域は全国に誇る果樹の一大産地として発展してきたが、本年は四月の低温や度重なる降ひょう、長雨、更には、もものせん孔細菌病など、自然災害や病害に見舞われ、収穫量の大幅な減少による農業経営への影響が懸念されている。平成二十六年の大雪など、大規模災害については国や県の支援があるものの、様々な農業経営上のリスクに対して農業者自らが備えることが重要である。現在、収穫量の減少による損失を補てんする農業共済や、農産物の販売収入の減少を補てんする収入保険があるが、農業保険は掛金の二分の一を国が負担し、農業共済については更に残りの掛金の一部を助成する市町村やJAもあるなど大変手厚い制度である。山梨県農業共済組合では、農業者への戸別訪問や、広報紙・チラシなどにより加入促進に取り組んでいるが、加入率が低迷しているものもあり、県も加入促進の取り組みを支援する必要があると考えるが、今後どのように取り組んでいくのか所見を伺う。

農政部長 本年の農業被害は近年に例のないほど大規模であり、県として果樹や野菜の産地を守る必要があることから、病害の防除のため、薬剤費の一部を補助している。一方で、農業経営の安定化を図り、農業が将来にわたり発展していくためには、農業者自らも自然災害や市場価格の下落のほか、自身のケガや病気などのリスクに備え、農業保険に加入しておくことが重要である。県では、県農業共済組合の取り組みを支援するため、制度を紹介するリーフレットやポスターを作成し、JAなどに配付するとともに、テレビやラジオ、新聞等の各種媒体や、農務事務所における講習会の場を活用して、農業保険の周知と加入の呼びかけを行っている。また、本年6月の園芸施設共済における掛金の割引制度の導入に加え、収入保険において保険料を引き下げる新たなメニューが創設されるなど、農業者の経済的な負担を軽減する制度の見直しが図られている。今後も県が主催する経営セミナーや、栽培講習会など、あらゆる機会を捉えて制度の周知と加入の呼びかけを行うことにより、県農業共済組合が行う農業保険の加入促進を支援していく。

5.急傾斜地の土砂災害対策について

6.県道塩平窪平線の整備について

7.住民の不安解消のための県警察の取り組みについて